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都市景観とは、都市が持つ自然や人造物、そして人々の活動が織りなす、歴史と現代を反映した都市の風景のことです。簡単に言えば、「まちの風景」や「都市の景色」と言えます。
国土交通省による大賞(国土交通大臣賞)を決定するため、(財)都市づくりパブリックデザインセンター都市景観の日実行委員会により全国から応募された14地区より選考し大賞が選ばれました。
「汐留イタリア街」は惜しくも大賞は逃しましたが、大賞に劣らない特別賞を受賞いたしました。
大規模再開発で超高層ビル街に変容を続ける東京都心で、それに抗うように、土地区画整理事業による土地の有効利用とともに街並み形成に明確なヴィジョンと強い意志を有しつつ、小さな間口の中層建築が連なる個性的な景観の街並みを実現した点に、特段の評価が与えられた。
丁寧に作り込まれた街路、広場の公共空間とそこに面する個々の建物の設計上の工夫が景観の魅力を高めている。ヒューマンな規模を維持した顔の見える都心空間の出現は大きな意味を持つ。
審査講評
あぁ、あの「イタリア風」にデザインしたところね。そう思っている方はこの街を隅々まで歩きまわっていただきたい。そうすればわかる。「イタリア」とはこの街で生きていこうとする町衆の決意であることが。
隣接する超高層と足元の綺麗な空地群とは異なり、壁面が街区をつくり、建物は街角に顔を向けポルティコが内外をつなぐ。ヒューマンスケールな建物と空地からなる南欧の歴史都市の質をなす。表層のモチーフや色彩に「イタリア」はとどまらない。
それを可能にしたのは、区画整理時の「街並み誘導型地区計画」、デザインコードを担保する「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」、そして粘り強い協議を行う「コムーネ汐留」という主体である。
鉄道開通、貨物基地、運輸業、その消失と大規模再開発。地区を超えた幹線道路の計画。こうしたいわば外圧によって街を大変貌させなければならなかった時、ここに生きる町衆は、デザイナーおよび行政という専門家の力を得て、将来の街を描き、位置づけ、実践してきた。その四半世紀の成果が今の汐留イタリア街である。
都市景観とは何によってつくられるのか、この街は教えてくれる。賞賛と感謝の意をこめて、大賞に劣らない特別賞とした。
都市の景観は国民共有の誇りうる財産として、美しく風格のあるものであり、また、地域固有の歴史や風土が尊重され、そこで生活し活動する人々にとって、親しみと敬意の対象とならなければなりません。
都市景観の日実行委員会は、良好な都市景観を育むため、互いに協力しあい、工夫をこらした意欲的な実践に、ともに取り組むことを広く呼びかけ、「都市景観の日」に関連する一つのイベントとして平成3年より都市景観大賞を実施しています。
都市景観大賞は良好な都市景観を生み出す優れた事例を選定し、その実現に貢献した関係者を顕彰し、広く一般に公開することにより、より良い都市景観の形成を目指すものです。