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街づくりは、区画を整理し、そこへ建物を建てるだけでは、街づくりの目的 を達したとは言えません。
街は、人が住み、業務が成され、商圏が出来上がり、人が行き交い始めてこそ街の形が出来上がる訳ですが、それだけで街が街としての役割を得たと断言することは出来ません。
街は、その地域に根ざし、将来へ向けて継続することこそが、その街の使命だと思います。
街づくりの重要なポイントは、将来へどう継承して行くかということに尽きるのです。
継承作業は、街づくりを始めた人たちから、その歴史すら知らない人々へと受け継がれる中で、必ずしも、思い描いた将来図が描けるものではありません。
しかし、その将来図が異なった形になろうとも、今、私たちは街づくりの継続を通じて将来へ引き継がせる準備を怠ることはありません。
街が、将来へ継承されていくためには、やはりタウン・コミュニティの維持管理は不可欠です。
タウン・コミュニティこそ、街の要であり、このコミュニティの力で街は活況を呈し、将来へと引き継がれていくのです。
そのためには、街が抱える問題点を常に洗い出し、そして把握し、改善していくという地道な努力が将来へ継承できる街をつくる上での、一番の取り組みだと思います。
当初、イタリア街を創るにあたり、「新宿より銀座」という街のイメージに意志を固めた。
なればこそ、銀座の華やかさ、清潔感、格式、規律等を守りつつ、このイタリア街独 自の活況状態を形成しなければならない。
それには、この街のコミュニティーバランスを良質な物に育て、訪れる人々にもその趣を持ち合わせていただけるような、街の表情を作り上げ、未来永劫イタリア街として歴史の中で息づく街を、みんなでつくりあげていけたらと思う。